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渡邉 太地
"Field"

このたび i GALLERY OSAKA では、アーティスト・渡邉太地による個展「Field」を開催いたします。

 

渡邉はこれまで、“どこでも窓”という独自の視点から、絵画を通じて現実と想像の境界、内と外、自己と他者のあいだにある曖昧さを追い続けてきました。本展ではその探求をさらに推し進め、彼にとっての「特別な領域=フィールド」としての絵画空間を提示します。

 

10代の頃、サッカーフィールドは彼にとって神聖な空間でした。そこには確かなルールと自由、物語と祈りが混在しており、現実とは異なる感覚の中で自身が存在していたと言います。そして現在、絵の在るところに現れます。

 

今回の展示では、会場の入り口付近の足元からすでに作品が始まっています。あえて地面に置かれた絵画たちは、これまでにない表現であり、空間の導線に沿って、絵画の立ち上がる気配が少しずつ立体的に明らかになっていきます。
ギャラリーに足を踏み入れた瞬間から奥の展示空間に至るまで、途切れることなく続くその配置は、鑑賞者の身体そのものを作品の一部として取り込み、歩くこと、立ち止まること、視線を落とすことのすべてに静かな緊張感を生み出します。

 

その構成は、まるで白砂の上に据えられた石の間をたどるようでもあり、日本の枯山水に通じる “見立て” や “間(ま)” の美学を想起させます。何もないように見える空間にこそ、見るべきものがある――そんな意識が自然と芽生えていくようです。

 

絵画そのものもまた、静かな色面の重なりの中に深い呼吸を宿し、視覚の奥に潜む感覚をゆっくりと呼び起こします。抽象的でありながら、ひとつひとつの形や位置に、偶然を排した確かな意図が貫かれており、それらは空間に対しても繊細に応答しています。

 

ぜひ会場にて、渡邉太地が創り出す “Field” を、五感とともに体験していただければ幸いです。

DATES

2025年5月23日(金) - 6月23日(月)

OPENING RECEPTION

5月23日(金) 17:00 - 20:00

LOCATION

i GALLERY OSAKA

〒542-0081

大阪府大阪市中央区南船場3丁目8-14

ACN心斎橋Garden1F

ARTIST

TAICHI WATANABE

「10代の私には特別な領域と呼びたい空間があった。それはサッカーフィールドだった。白い線で囲われた約100m×70mの空間に踏み込むことは、とても特別なことであった。そこには神様がいると言われ、多くの人々を楽しませることや、悲しませたりするなど数多くの物語が生み出されてきた。

またフィールドに描かれた白線は現実世界との境界線のようでもあり、私にとっての特別な領域を作り出していた。

現在の私にとって、その特別な領域は絵がある空間だ。フィールドの白線が持つ目的以上の存在のように、Space(絵の世界)を創り出すという可能性を持った絵の在り方は類似していると感じる。

このギャラリーに足を踏み入れることは私が創り出すFieldへ入ることであり、ギャラリーに飾られた絵を鑑賞するにとどまらない体験を感じて頂ければ幸いです。

是非ご覧ください。」

- 渡邉太地

渡邉太地 / TAICHI WATANABE

1997年、東京生まれ

東京藝術大学大学院絵画科油画専攻 卒業

「どこでも窓」をテーマとした油画作品を制作。

窓という枠組み、その先に映る空間が創り出す新たな絵画表現を追求している。

また自身の表現をキャンバス上に限らず、シルクスクリーンを用いたTシャツの製作やテキスタイルのデザインなども手掛ける。

個展

2024 「TWO SPACES」 INHERIT GALLERY/OFO by INHERIT GALLERY, TOKYO

2023 「Beyond clouds」 OIL by 美術手帖, TOKYO

2022 「in and out」 CAGE GALLERY, TOKYO

2022「Where I want.」 INHERIT GALLERY,  TOKYO

2021「FOOTPRINTS」 BEAMS T HARAJUKU, TOKYO

 

グループ展

2024「都市と自然/Urban and nature」 OIL by 美術手帖, TOKYO

2023 「Scenery」 at Marco gallery, OSAKA

2021 「BEAMS T 20th ART EXHIBITION」 BRAMS T HARAJUKU, TOKYO

Instagram: Link

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